「正しいアンブシュア」は存在しない! ~アンブシュアについて考えてみたこと~

はじめにお断りしておきますが、私はプロのトランペット奏者ではありませんし、専門的に音楽を勉強した人間でもありません。ただ今までトランペットをやってきて、自分や周りの方々を見ていたり、自分なりに勉強して「今」感じていることをつづっていこうと思います。

私がトランペットを始めたのは小学校で鼓笛隊に入ったのがきっかけです。上級生から教わったのは楽器の持ち方と運指くらいで、バズイングどころか、「唇を振動させて音を出している」ということもちゃんとは教わりませんでした。

そんなこんなで、初めは30分近く音が出なくて、同級生とあーでもない、こーでもないと言いながら、やっとの思いで音が出るようになった気がします。

その後も、とにかく高い音、大きな音で吹けたらかっこいいくらいに思っていて、基礎練などしたことがないまま3年間を過ごしました。

中学に入った頃、それまで出ていた音が出なくなってしまいました。その頃ようやく、マウスピースでバズイングすることと、リップスラーを知りました。とにかく上手くなりたかったので、ひたすらやってみました。そうしたら、だんだんと音が出るようになってきました。

高校に入ると、音大を目指している先輩に出会ったり、自分も個人レッスンにつくようになって、だいぶ基礎を細かくみるようになってきました。もちろんそれで吹けるようになったところは大きいし、今もその土台がなかったらダメだっただろうなと思いますが、同時にアンブシュアやマウスピースについて悩むことをはじめるようにもなりました。

悩み始めるとドツボにはまり、自分でも先生でも謎なくらい、全く吹けなくなることもしばしばでした。夏から秋にかけて調子が良くなり、冬になると調子が悪くなるという傾向は見つけ出せたのですが、ずっと原因の分からないまま、いつも本番で力を出せずに悔しい思いを続けていました。

大学に入ると、ますますアンブシュアについて考えることが増えてきました。毎日吹けるわけでもなくなったので、より考えて吹く習慣か身に付いてきたことも影響しているかもしれません。調子の良いときのアンブシュアを写真で撮っておいて、調子が悪くなったら鏡を見ながら調子のよいときのアンブシュアに近づける、というような練習を試した時期もありました。

就職して吹奏楽部の顧問になってからもしばらくは、「アンブシュア論者」でした。確かに「アンブシュアをつくってから楽器を構える」という方法を取り入れるようになってから大きく調子を崩すことがなくなったことも、その考えを助長することにつながったかもしれません。

でも今この歳になって感じていることは、アンブシュアという「形」にこだわるよりも、出てくる音という「事実」を観察し、そのために必要なことは何かを考えて試してみることの方が大切なのかなということです。

いくら見た目のアンブシュアがきれいだったとしても、出てくる音がどうしようもなかったら意味がありません。

それよりも出てくる音に注目して、いい響きがする音を出すためにどんなことに意識を向ければよいかを考えた方が、結果として望みに近づいていけるのかなと思います。

このように思うようになったのは、調子が悪いなと感じたときに、上手くできなくてもリップスラーをやってみたり、響きのある音で吹いてみようと狙ってみたりしたときに、自然と「望んでいるポジション」に近づいているなという経験が何度もあったからです。

それ以降、吹くときにはあまりアンブシュアをきにしないようになりました。


これはあくまで素人考えですが、唇の上端(または下端)がはみ出している場合(粘膜奏法)でなければ、アンブシュアは無理に直す必要はないかと今は思っています。それよりも息の流れや唇との密着度を意識し、響きのある音をイメージしてみることがまずは大切なのかなと思うのです。

歯並びや骨格も人によって違いあるので、必ずしもマウスピースをあてる位置は"真ん中"でなくてもよいかと思います。あてる位置よりも、その中でどう唇を振動させるか、振動のバランスやプレスの方向性をいろいろ工夫してみると、しっくりくる位置に誘導されるのかなと。

結局のところ、アンブシュアが原因といわれている問題の多くは、息の流れや舌の使い方、プレスの仕方や楽器の角度などで改善することが多いように思います。

どうやっても全く音が出ないというのでは話は別かもしれませんが、そうでもなくある程度の音域をある程度自分の望む音色で吹けているのであれば、アンブシュアには問題はないような気がします。

それは恐らく、望みを実現させるために練習を積み重ねていくうちに、自分が求めている音を出すためのアンブシュアが自然につくられるようになると思うからです。

どうしてもアンブシュアを変える必要が出てきたときは、きちんとアンブシュア矯正の経験のあるプロ奏者にみていただきながら変えていくのも一つの方法かもしれません。

でも、それは最終手段だと思います。

アンブシュアやマウスピースのせいにする前に、まだ自分にできることはないかを考えて、いろいろ試してみるのがいいのかなと思います。


また今後もしかしたら意見が変わることがあるかもしれませんが、今はそんな風に思っています。

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この記事へのコメント

迷宮入りちゃん
2019年06月29日 17:56
初めまして。
粘膜奏法で検索してきました。
最近月イチで個人レッスンを始めて、先生に下唇の赤い部分が外に出てるから、しまうことを意識するように、と言われました。
唇を寄せるように、とのことでしたが、どうにもできないんです。
吹くと普通に赤い部分が出てしまいます。
どんなイメージとかで唇をしまうコツ掴めるでしょうか?
2019年06月29日 21:31
こんにちは。コメントありがとうございます。

私もトランペットを専門的に学んだわけではありませんし、直接アンブシュアを拝見したわけでもないので、無責任なことは言えませんが、一つの参考としてお聞きいただけたら幸いです。

上下の唇を軽く閉じてから、上唇を先にマウスピースに密着させ、下唇は特に意識せずそのままマウスピースに当たっている状態にして、軽く息を流してあげたとき、自然に振動が発生して、音が出る(ちゃんとしたピッチの音でなくてもよいので)バランス(マウスピースと唇の密着具合、息の流し方など)をまず探してあげるとよいのかなと思います。それで吹こうと思わなくても自然に音が鳴るようになったら、次に口の中の状態を変えることで、ツボにはまった音を探していくと、結果として、赤い部分がはみ出さなくても音が出る状態に変わってくるように思います。

つづく→
2019年06月29日 21:32
また、「唇を寄せる」は、恐らくですが、「う」と言う時の口の形に近いイメージかと思います。

わかりづらい表現でしたらすみません。ただ、今まで慣れてやっていたことを変えるときは、音が出なかったり、思うような音にならないことがあったとしても、無理に音を出そうせずに、じっくり観察をすることも大事なのかなと思います。私も長年染み付いてしまった癖や習慣は、直ったと思っても相当意識していないと急に顔を出してきたりします…。

もし試してみて、何か感じたことや気づいたことがありましたら、私も勉強になりますのでまたコメント頂けたら幸いです。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
迷宮
2019年07月02日 22:19
こんばんは!
先日はご丁寧なお返事をありがとうございました!
色々試行錯誤しています。
アドバイスいただきました上唇を先に付ける、音が鳴るまで待つ、をやってみましたが、やはり下唇の中の方が出て振動してしまってます。
マウスピースなしのバズィングでは出ないので、バズィングしながらマウスピースを当ててみましたが、当てた途端に唇が出てしまい、うむむ。。です。
もう少し色々やってみます。。
オノレイ
2019年07月12日 23:46
こんばんは!
ご報告ありがとうございます。お返事遅れてすみません。

すでにご覧になっているかとは思いますが、高垣智さんのサイトが分かりやすくまとめられているかと思います。
http://www.satoshitakagaki.com/nemmaku/

もしまた何かありましたら教えてください!

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