夢を目標に、目標を現実にするために…

「夢を持つ」ことと、「目標を立てる」ことは、一見すると似ているような気がしますが、厳密には違うことだと思います。前者は「叶わないかもしれないことだけれど、それに憧れること」、後者は「クリアすべきハードルを目の前に置き、達成するために努力できること」のように思うからです。

もちろん夢を持つことは素敵なことです。夢を語り合える仲間がいたらどんなに幸せでしょうか。叶う、叶わない関係なく、自分の中にある“want to”の声に耳を傾け、素直にその声を受け入れてあげることができたら、自分らしく生きていくことができるように思います。

でも、夢を叶えるためには、到達目標を置き、そこに近づいていくために具体的に何をすればよいかを明確にし、一つひとつできることを増やしていくしかありません。夢が夢であるうちは、その夢は抽象的で漠然としたものであり、現実というものとはかけ離れたままです。

吹奏楽でも同じことが言えると思います。「コンクールでいい成績を残したい」「お客様の心に響く演奏したい」などの夢をもつことは大切なことです。しかしそれを叶えるためには、達成可能な目標を立てて、一つひとつクリアしながら徐々にステップアップしていけるように地道に努力を積み上げていくことが必要だと思います。指導者には、その道筋を明確に示すことが求められるように思います。

でも、これまでの自分を振り返ってみると、「夢を持つ」ばかりで、結果的に諦めてきた夢の方が多かったような気がします。要は目の前に“目標”という現実が降ってきたとき、自分には無理だろうと思って、向き合うことから逃げ出してしまってきたからです。

今でこそ夢だった教員になりましたが、幼い頃から思い起こしてみると医者、発明家、水質検査技師など、ずっと教員を目指していたというわけでもなく、何となく憧れる職業がいろいろありました。その中で教員を目指そうと思ったのは、自分のやりたいこと(=化学、自然環境、音楽)を仕事として自由にやれるのは教員だよなと思ったのがきっかけだったので、他の教員志望者と比べると、「教育」というものへの意識は低かったように思います。

そんな自分本位なきっかけで生まれた「教員」という“夢”ですから、実際目の前に“目標”というハードルとなって現れた時、“夢”は到底叶いそうもないもののように思えてきました。大学も内部進学で、勉強そっちのけで部活しかしてこなかった自分には、圧倒的に専門的な知識が足りませんでしたし、就職氷河期で跳ね上がっていた採用試験の倍率を見ると、とてもじゃないけれど自分が食い込める気はしませんでした。大学4年で教育実習に行ったときも、子どもたちのフォローに助けられたものの勉強不足を実感することばかりで、成績も殆どの学生がAAやAがつく中、滅多につかないというBをつけられ、自分は教員に向いていないのではないかとも思いました(今でも向いているかは疑問ですが…)。

そんな私が「教員になる」という目標を持ち続けて何とかめげずに頑張ることができたのは、研究室の教授の存在なしには語れません。「これから教員になるなら修士までは出ていた方がよい」と人に言われて進学した大学院でしたが、新しくて興味深い研究テーマを与えて頂き、時間をかけて研究の本当の面白さを教えて下さったり、学部生をまとめるチームリーダーとしての経験を積ませて下さったり、自分の目標を尊重して最後まで応援して下さったことはとても大きかったと思います。何より教員として大切な資質の一つでもある「専門教科の面白さを自信を持って語れること」を私に教えてくださいました。もちろん実験が上手く進まなかったり、周りが就職する中で学生を続けていることへの焦りや不安もたくさんありましたが、あの大学院での2年間がなかったら、今教員になれていたかは分かりません。

“夢”は確かに自分の中で生まれるものです。“目標”も自分で達成するための努力をしなければ現実のものになることはありません。でもこうして振り返ってみると、自分の夢は多くの人に励まされながら目標となり、多くの人に支えられながら現実のものへと変わっていくような気がします。

そして、一つの夢が現実になったとき、そこからまた新しい夢が生まれてくるのだと思います。人はそうやって夢を追いかけて生き続け、そのうちのいくつかが目標となり、さらにらその中からわずかなことだけが現実のものとなって、自分という人格を形成していくように思います。

ふと現実に追い回されていると、夢なんか見ている場合ではないと思うこともあるかもしれません。歳をとればとるほど、「なーに、夢みたいなことを言っちゃってるの」と思うことも少なくない何もしれません。様々な理由からどうしても諦めなくてはいけない夢もあるかもしれません。

でも、自分の夢をたくさんの人が支えてきてくれたように、自分も誰かの夢を支える一人になれたらと思うし、そのためにできることを考えて教員という仕事をしていけたらなと思います。それが今の自分の夢だったりもします。

教員になって10数年が経ち、アラフォーと呼ばれる年齢になりました。今までは教員としての夢を見つけ追いかける期間だったように思いますが、これからは、自分が見つけた夢を目標に変えて、具体的に努力をしていく時期なのだと思います。まだそのために何をすればよいのか試行錯誤の毎日ですが、ゆっくりマイペースに頑張っていきたいと思います。

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