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zoom RSS 部活の在り方を考える 〜長野と東京の決定を受けて考えたこと〜

<<   作成日時 : 2013/11/15 07:02   >>

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昨日、長野県で「朝練禁止」「平日の部活は2時間以内」が決定されたというニュースが飛び交いました。

「中学生期の適切なスポーツ活動のあり方について(報告書)」
http://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/sports-ka/public_comment.html

これによると、以下のようなことが挙げられています。


■中学生期のスポーツ活動の意義

○心身の成長…成功や失敗を通じた学び、自己肯定感、健全な身体

○楽しい学校生活と仲間づくり…学習と運動のメリハリある学校生活、人間関係形成能力

○生涯におよぶ健康づくり…生涯にわたる運動習慣、スポーツや喜び楽しさの経験

○競技者の育成…発達段階に応じた育成、次のステージの受け渡し


■運動部活動の延長としての社会体育活動

・ほぼすべての学校で「運動部活動」と「運動部活動の延長としての社会体育」が並行して実施・

・この両活動を合わせると、約3割の運動部で1日当たり3時間(最も長い部は5時間)を超える活動が行われ、1週間のうち休養日を設けていない運動部も約3割存在する。


■朝の運動部活動(朝部活)

・ほぼ全ての学校で、年間を通じて朝の運動部活動が行われている。

・朝の運動部活を行う生徒の約3割が、睡眠不足や授業への影響を感じている。


■その他スポーツ活動を取り巻く状況

・生徒の睡眠時間や家庭学習時間は、全国平均と比べると少ない。

・運動部顧問の約6割が、運動経験がない又は専門外の種目の指導を担当。

・中学男子の体力は全国中位にあるが、女子は下位に位置。

・国体順位は、冬季競技は全国トップクラスに位置するが、夏季競技は下位に低迷。

・成人が週1回以上運動を行う「運動実施率」は、男性はほぼ全国平均と同じだが、女性および20〜30代では、全国平均を下回っている。


■医科学的知見から見たスポーツ指導に必要な視点

○発育・発達段階にある中学生期

・最終的に大きな成果を期待する場合、成長過程に応じて、最も吸収しやすい時期に課題を与えることが最適。小学生期では「働きを高める多様な運動」を、中学生期では「心肺機能や全身持久力を高める運動」を、「筋力を高める運動」は高校生以降に。

・効果的にトレーニング効果を得るためには、疲労を回復させる「休養」が大切。


○心理的な側面

・他者との比較ではなく、個人の能力に応じた指導と評価を行うことが必要。(運動優越感)

・早い段階で上達しすぎることで伸び盛りの時期に上達が止まり、ドロップアウト(離脱)やバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るケースがある。


○「栄養・運動・睡眠」の3本柱をトータルで

・成長ホルモンの分泌を促進するためには、就寝3時間前に食事が終了していること。

・朝食は、身体にスイッチを入れ、昼食までの脳の活動を支えるエネルギー源。


○スポーツ障害の予防

・スポーツ障害は、「活動時間が長い」ほど、「睡眠時間が短い」ほど、その割合が高い。

・ケガや故障の原因の多くは、「不注意」「練習のしすぎ」「疲れ」によるもの。



■今後の方向性

○指導方法の工夫改善

・生徒の意欲、自主性、自発的な活動を促す指導。

・勝利至上主義に偏らない生徒のニーズを尊重した指導。


○活動基準

平日の活動日数は週4日以内、土日は1日以内。(完全休養日を週2日以上設ける)

平日の活動時間は2時間程度を目途。(休日の活動は、午前午後にわたらない

原則として朝の運動部活動は行わない

・「運動部活動の延長として行っている社会体育」は見直し、原則として運動部活動へ一本化。


○活動の支援体制

保護者や地域・関係団体の理解と協力

・「スポーツ活動運営委員会」の組織強化と機能発揮を図る。

・近隣学校間の連携や外部指導者の活用


○文化系の部活動

本報告書の趣旨を生かした活動を期待


◇適切な活動時間を確保するための工夫例

・始業時間や下校時間の見直しによる放課後活動時間の確保。

・冬季に限定し、一定の範囲で朝の活動時間を確保。

・中体連主催大会の前など、期間限定による特別練習。



こうして見てみると、たしかに中学生という発達段階を考えた場合、いろいろな視点から導き出された報告書だということがわかります。長時間練習をしたからといって、集中できていなかったら意味がないし、そもそもやらせすぎて体を壊してしまったり、競技そのものを嫌いにさせてしまっては元も子もないと思います。

しかし同時に、いいものをつくるには時間と手間がかかるものです。ただ時間をかければよいというわけではないけれど、少しずつ粘り強く積み重ねていったものがやがて「ホンモノ」になります。途中で壁にぶつかったり、後退したりしてしまっても、「好きだ」という気持ちを大切にしながら、ホンモノに近づいていきたいと私は思うのです。

また、「平日2時間」「土日どちらか1日」という制約を設ける場合には、主な指導者である顧問を取り巻く環境についても考える必要が出てきます。放課後だからと言って、必ずしも顧問が部活に出て指導できるわけではありません。放課後補習やクラスの生徒の面談、会議など、部活動業務以外の様々な業務に追われて、平日はなかなか部活に顔を出せない環境にある教員も少なくありません。また、自分がやっていた競技以外を担当する場合には、クラス運営、教科指導、分掌などに加えて、その部活動の専門性を0から学んでいく時間の確保も必要になってきます。

そこで必要になってくるのが、長野県教育委員会も言っているように、「保護者や地域・関係団体の理解と協力」であったり、「外部指導者の活用」ということになってくると思います。


しかし、この「外部指導者の活用」については、東京都中学校吹奏楽連盟が次のような指針を出しており、来年度からコンクールの指揮者はその学校の教員か生徒でなくてはいけないということになっています。


「吹奏楽コンクールの指揮者に関する規定の変更について」
http://www.tokyo-chusuiren.org/1st_section/WBC_conductor_kitei.pdf

もちろん部活動の指導は、その学校に勤務する顧問が責任をとるべきです。しかし、上記のような状況も考えると、外部講師の活用というのは、今の学校の現状を見ると必要な措置なようにも感じます。

東京都中吹連の決定は、もともとは、特定の外部講師が何校も指揮をして、偏りをなくすということから始まっていることだと思うのですが、ここで「非常勤講師も可」としているため、外部講師が「非常勤講師」として勤務するようになるのではないかとは思われます。そうすると、非常勤講師を雇える学校とそうでない学校の間にも格差が広まり、結局のところ、振り回されてしまうのは子どもたち、ということになりかねません。

そもそも、部活というのは、その活動を通して人間的に成長をはかるためのものだと思います。もちろん体罰や独裁的な指導は絶対にいけないことだと思いますが、ある程度の壁を乗り越えることで初めて成長できることもあります。その壁をどう乗り越えさせるのか。もっと総合的に議論していく必要がありそうです。


今日はこのあたりでやめておこうと思いますが、最後に、バジル・クリッツァーさんのブログに次のようなことが書いてあったので紹介しておきたいと思います。


”長い演奏生活を通じて幸福に過ごし、奏者としての演奏能力と表現力を最大限に高める”

「中学生管楽器プレイヤーの指導法」
http://basilkritzer.jp/archives/1862.html

「高校生管楽器プレイヤーの指導法」
http://basilkritzer.jp/archives/1868.html


私も、生徒たちが部活を通して音楽を好きになって、一生続けたいと思えるような指導がしたいと思うし、うまくなるからこそ世界が広がって楽しくなっていくことも伝えたいと思うのです。そのためにどんな環境をつくっていけばよいか、これからも考え続けていこうと思います。


★ブログ引っ越します★
http://rapparapa18.xsrv.jp/

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